ご当地商店街・上野毛へ
上野毛駅の西側、環八から多摩川の方向には、「国分寺崖線」という急な斜面があります。 多摩川の流れによって形づくられた河岸段丘の斜面です。
等々力には 多摩川に注ぐ矢沢川が作った 「等々力渓谷」がありますが、河岸段丘には湧水などもあって、独特の趣きがあります。
ここは南向きの斜面ですから 古くから眺望の良い住宅地として利用されてきました。
第3京浜入り口の野毛公園には、太古の時代を偲ぶ古墳などもありますから、古くから利用されてきたのにも うなずけます。
五島美術館は古美術での逸品も数多いのですが、河岸段丘を利用した庭園が見事です。美術鑑賞の後、崖線がそのまま保存されている上野毛自然公園を散策してみてはいかがでしょう。 急な階段ですが散策コースも整備されており、湧水がたまる湿地も残されています。


上野毛駅前
環状八号線の上野毛駅前の信号。 上野毛駅は上野毛通りに入った所に2008年 移転しました。
駅ホームは切り通しの下にあり、以前はホームの両側にある緑が季節の移り変わりを告げてくれたのですが、急行の通過線の増設などで姿を消し、駅舎もホームの真上になりました。
環八は瀬田と第3京浜や目黒通りにはさまれた地点なので、夕方や休日の前には渋滞して車の列が途切れない。 横断歩道を渡るのにも苦労する上野毛の中心にある交差点です。
以前の上野毛駅
覚願寺
大きな銀杏の木があり、横には 鈴蘭幼稚園があります。
幼稚園の横に 「上野毛自然公園入口」 の看板があり、ここから小径を入ると、公園の入り口にたどり着きます。
うっそうと茂った木々の中に広場があり、ここから急な斜面を降りるための階段がつけられています。
上野毛教会
駅の近くにある カトリック教会。
毎週日曜日のミサの他、さまざまな催しが行われます。
上野毛稲荷神社
稲荷坂の中腹にある稲荷神社。
秋の例大祭には近郷の氏子で賑わう。
上野毛自然公園の歩道
覚願寺横の小径を入ってくると崖線斜面の上側に出られる。
ここから階段のスロープが付けられており、急斜面をゆっくり、景色を眺めながら降りて来られる。
木々は崖線の形そのままの雑木林で、赤土がむきだし、ここが東京、しかも上野毛かと思うばかりである。
上野毛自然公園の湿地
公園の下側は湧き水の溜まる湿地があり、歩道は橋がかかっている。 夏には子供たちが「ザリガニ」捕りをしたりして遊ぶ。
水辺には菖蒲などの湿性の植物が生い茂っており、「谷地」の姿をとどめている。
多摩堤通り
上野毛駅から多摩川まで 急な坂道を下ると、多摩堤通りに突き当たる。 堤の桜並木は 二子玉川から田園調布まで続き、河川敷の遊歩道には 多摩川を散策する人が絶えない。
古くは渋谷の発展時に使われた砂利を採取した場所であり、土手には当時の線路の跡を偲ぶことができる。
二子玉川駅前周辺の再開発により、河川敷からの眺望も一変して土手の桜も威圧されているかのように見える。
堤防もスーパー堤防に作り直される…とかで、多摩堤通りも工事の関係で落ち着きのない状態が続いている。
野毛桜堤
第3京浜が多摩川を越える 「多摩川大橋」 近くは、野毛桜堤と呼ばれている。 ここの桜は多摩川の陽差しを浴びて 開花時期が早い。 周辺にも桜の木が多く、春は花見の人で終日賑わう。
桜の時期以外でも河川敷は緑地になっているので散策をする人が多く、多摩川の水辺に降りて川面の遊びに興ずる人もいるようだ。
少し川下へ下ると 等々力不動尊や等々力渓谷もあり、自然を楽しむ絶好のコースである。 河川敷にサイクリングコースがあるので、大田区まで足を延ばすこともできる。 土手の上の多摩堤通りにはバスの便もあるので、歩くのに疲れるとこれを使って帰宅することもできる交通至便な散歩道である。