Rt-Linuxへの展望

RT-Linuxも多くのものが発表され実用に近づいています。

整理すると。

VxWorks系列 レスポンスは良いが、非Unixであり、スレッド・プログラミングのため、メモリー保護がありません。
RT-LinuxはVxWorksに近く、スレッド形式のカーネルプログラミングであり、標準I/Oのリアルタイム使用は不可能です。
RadsysのINTimeは同様の考え方で WindowsNTのHALを改造してクロック割り込みを横取りし、リアルタイムを実現しています。しかし、この部分は暗黒の Kernel Mode-Ring 0 と呼ばれる悪魔が住むところであり、迷い込んだら生きて戻るのは至難の業です。
LynxOS系列 Unix カーネルをリアルタイム・カーネルへ変更したものであり、極限の割り込みレスポンスはVxWorksに劣りますが、Unix プログラミングでリアルタイム性が確保できます。
LynxOSに近いものとして、KURT-Linux(カンザス大学)があります。これは Linuxのカーネルをそっくり リアルタイムカーネルに入れ替えたと考えられます。同じ思想で、電総研・石綿氏のART-Linuxがあります。 これらはCPUパワーの著しい向上に助けられて実用化されたものです。


もし、これを仕事に使おうと思ったならば、RT-Linuxと KURT-Linuxを揃えれば良い。
LynxOS及び VxWorksはデバック環境は完璧ですが、ドライバ等は各々 LynxOS 及びVxWorks用に書き換えなければならず、既存のリソースの使用に難があります。これらの関係は既にメジャーである Linux、BSD系の方に分があると思われます。

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